見えざりし空には星が満ちている
一 二

森のざわめき
深緑の風の音
ざわざわと穿われた痕
真紅の血の跡、ずきずきと

深き黒き森
光は射さず
昼も夜もなく
血を喪い
茫漠と歩き続ける打ちのめされた魂

倒れこむようにして
とりねこの大樹の下でじっと横たわる

水飛沫の音楽が聞こえ
霧の妖精たちの輪舞が始まる
ただ静かに見守った

そうしていると一番小さな娘が
我が方へと歩みよって
私の顔を抱きしめる
腕は我が身を包みこめなくとも
小さな胸の優しさに
彼女の胸を濡らす
木漏れ日が射し
ニレの樹の木陰で
私はそっと静かに泣いた

そんな私を
彼女は小さな身体一杯に
抱きしめていた

ただ唯一に在るがままに
我が魂の光よ

あなたへ


自由詩 見えざりし空には星が満ちている Copyright 一 二 2010-12-14 18:24:04
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