秋 あるところ

薄く雲を伸ばした空

遠く無垢な空



一塵の風が 木の葉を舞い上げて

それを見事に 汚した

浮力を失して 滑空する枯葉たち

その一端を 引き取る

何百何千の一端を 引き取る

幸か不幸か 舞い落ちて

僕のも下に 舞い落ちて

はらりと朽ちて 消えた



淡く逆巻く空

遠く無垢な空

僕は行く

僕のあった ところに


一塵の 風




自由詩 秋 あるところ Copyright  2010-12-13 20:10:15
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