Sky Walker
寒雪



雲ひとつない
晴れやかな笑顔の
青空を
穴の開いたスニーカーで
堂々と歩く
途中
見えない遮蔽物を越え
見えない恐怖心を捨て
先々で
訪れる景色
発生する出来事
すべてが
近い過去であり
遠い未来であり


時々
背中を覗き込みたくて
手鏡を後ろ手に
思っている以上に
大きな存在になった自分に
思わず苦笑い


たどり着くべき目的地には
人の呼吸も体温もなく
背の高い建物も
生い茂った樹木もなく
ただ
乾いた大地が
見渡す限り広がる


両足でしっかりと
大地を踏みしめた時
ぼくはたぶん
ひどく孤独な空気に
体中隙間なく絡め取られるだろう
それでも
もちろん問題はない
それがぼくの最期に
ふさわしいはずだから



自由詩 Sky Walker Copyright 寒雪 2010-12-10 08:03:12
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