うそでも見る
クマクマ

たばこを吹かして、アイスクリームをなめて、
男の子の女の子の、女の子の男の子の、
死んでいるハムレットの記録を見る。


目に見る結果で死なないから、
空腹に困らない。
淑女や紳士が、大きな哲学を連れてきても、
彼らの手は二つしかなく、
頁を開いてくれるまで、
その中のどこからどこまでが臆病なのか、
どうして狂っていないのか、
教えてくれるまで、待っていられない。


目を動かして、ここを巡っているものを見る。
あれは人のかたちをしていないから、
虹が見えない。
ここへ、市場へ、
国へふりかかってのたうつ魔法に慄けない。
色の美しさをわからない。
あの暗がりで、死ねない犬や豚は、
食べても食べられても残らない。


人でなしをなぐったり、キスをしたり、
そんな情緒が、生活に風味をそえて、
見るに堪える芸術を作る。
青い怪獣の、白紙を踏みにじって、
いっぱいのやわらかな突起に変えていく中へ。


次に、子を食べる親よりも勇ましい、
わたしの闘争を見る。
それから、にきびができないように、
顔を洗って今日を終える。


自由詩 うそでも見る Copyright クマクマ 2010-12-09 20:51:55
notebook Home