本能寺の変の そのあとで 〜  After the incident at Honnoji Temp...
北大路京介

群雄割拠の戦国時代、尾張の国に出現した天才
日本史上 1、2の人気を誇る有名人・織田信長

信長が本能寺に散り、伝説の大返しで秀吉は山崎にて明智光秀を撃破。
天下統一へ走り始めた秀吉。
歴史にも名を残さない弱小大名が、秀吉に攻め込まれた。


乱「殿! 奇襲です! 秀吉の兵が城をとり囲んでおります!」

飛んでくる弓矢、火矢。
襖を貫通する弓矢、火矢。

殿「みみみ、光秀のおかげで、魔王ノブナガの恐怖が去ったと思ったのにぃ」

困った困った。オロオロする殿。

乱「殿! 落ち着いてくだされ!」

殿「うむっ(キリッ) 乱丸!鼓を持て! 」

乱「ははぁ ただちに」

殿「それとジュリ扇… 、、、あの羽根のいっぱいついた扇子も持って来こい!」

乱「ジュリ? えっ ジュリ?? とにかく、あの羽根の扇子ですね。かしこまりました!」


鼓を打つ乱丸。 ポン ポン ポポン

殿「Ah〜 に〜んげん ごじゅ〜ねん げ〜てん
   ノウチ Wow くらぶればぁ Uh Cha
  You Make 麻婆露死 Know go to 苦 ナリ! ポゥ! フゥズバッ!! 」


乱「、、、殿。 すばらしい舞いでございました。」

殿「フフッ 南蛮の舞いを取り入れておるからな」


乱「武芸の練習をされていたら、もう少し・・・」

殿「えっ なんか言った?」

乱「いえ なにも・・・」

殿「フフッ 信長もずっとウツケと呼ばれておったろう?」

乱「すると殿はワザとずっとウツケのフリをなさっていたのですか?
  では、なにか作戦があるのですな?!」

殿「・・・。いや、なにも・・・」

乱「じゃー ずっと、ウツケじゃないか! アホか!」

殿「きさま! 主君に向かって いまなんと申した?!」

乱「いえ なにも申しておりません・・・」



殿「 人間、50年か・・・」

乱「殿は、もうすぐ60ですよね?」

殿「まだ58! 58! 気持ちは元服した頃のままじゃ… 元服って、何歳だったっけ?」

乱「もういいんじゃないですか。。人間、いつかは死ぬのだし」

殿「はぁぁ このまま死んでも 歴史の教科書に載ったりしないんだろうなァ
   信長の野望にも登場せず。。。」

乱「殿! 殿! なにをブツブツと?」

殿「ん こっちのはなし。 しかし、暑いなぁ。 暑い、暑い。」

乱「火がまわってきております。」

殿「あー ユラユラゆれる炎を見ていると 時間を忘れちゃうよね・・・(うっとり)」


乱「なーにをウットリしてるんですか?! 拙者が介錯いたします。お覚悟を!」

殿「嫌じゃ! イヤ〜 痛いもん! きっと痛いもん!」

乱「本当なら、武士らしく 腹切って自害して頂きたいところですけど」


殿「わし、きりしたん」

乱「あんた、切腹したくないだけのためにキリシタンになったんでしょ!」

殿「だってさぁ だって、腹切って おなかから腸とか内臓とか出てきたらグロいでしょー
  そんなん見ちゃったらさぁ 怖い夢見るよー? 眠れなくなるよー? 」

乱「悪夢うんぬんじゃなくて、死ぬんですよ!」

殿「あっ そうかぁ。 でも、燃えて焼け死ぬのもイヤだ。
  火だるまになる前に一酸化炭素中毒になってるんだっけ?」

乱「一酸化?」

殿「(小声で) この時代では NGワードなんだったっけ? 」

乱「(小声で) NGワードというコトバも も禁句ですよ 」

殿「あー メンゴ、めんご。 聴かなかったことにして、NGワード」

乱「さっきのグロいっていうのも スルーしましたよ スルーがアレですけど」

殿「では、辞世の句でも… 3日だけ 天下人でも 良いじゃない」

乱「・・・下の句は? 殿? 下の句は?」

殿「あれっ? 五・七・五じゃ ダメなの? 俳句。ワシの辞世の句はハイク!」


乱「俳句なら、季語は?」

殿「季語? 季語はぁ 、、、ホトトギス」

乱「えっ ホトトギスなんて、言うてませんやん!」

殿「ちょ、ちょっと 待って」

指を折る殿。指を折って数える殿

殿「ホ・ト・ト・ギ・ス 泣く、鳴く 鳴くなら 鳴こう 鳴くとき 鳴けば 鳴き 鳴け
  。。。かろ かっくー、い、い、けれ これなんやっけ? 何活用やったっけ? 」

乱「殿、火が 火が!」

殿「えー 急かすな! 鳴かぬならブラックリスト載せちゃうよ ホトトギス」

乱「5・7・5・5! それと NGワード!」

殿「鳴かぬなら 笑いなさいよ ホトトギス! できた! いいんじゃねー? ねー?」

乱「雨が、、、、殿! 雨が降って参りましたぞ! 火も消えそうです」

殿「天は我らに味方しよったぞー って、でも 秀吉に こんど水攻めとかにされない?」

乱「でしょーね。 泳げます?」

殿「フフッ ワシ、バタフライ得意!」

乱「との・・・ バタフライって・・・」



−*−*−*−*


男「 っという夢を見たんだよ。 」

女「 バカじゃないの。『信長の野望』のやりすぎじゃない? 」

男「 小学生の頃は、授業中も『信長の野望』のBGMが聞こえてたよ。やりすぎで。 」

女「 私にプレゼント贈ったら、"忠誠度"が上がると思ってるんでしょ・・・ 」

男「 あがらないの? 宝石よりも茶器のほうが良い? 」

女「 あなたを そこまで夢中にさせるなんて、

   『信長の野望』を作ってる人達も 光栄コーエーね   」


自由詩 本能寺の変の そのあとで 〜  After the incident at Honnoji Temp... Copyright 北大路京介 2010-12-09 14:06:47
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