レモン色の街
番田 


豪雨が来た 夜
眠りに崩れ落ちた夜
雨粒を 見つめるのだろう
この夢の中に あるものとして
憎しむことすらそこになく



こうしていたいんだ 小春日に
子供の まだ 傷ついたような瞳で
そこに なんとなく 流れていくのであろう
流れこんでいる口に
冬の冷えた 道を
そして 黄昏を 目に見ていることだろう
人の生きるべき 世界を
きっとそばのつゆみたいにして 私は
微笑みすら顔の口元に なくして
子供の目をして 笑うのだろう
時を口内で食べるのだろう


何にもないのだと 茅ヶ崎に
茅ヶ崎の灯台を見つめる
私は行く
茅ヶ崎ではないんだと 思う
海辺にそって
私は 歩く
忘れたように 茅ヶ崎を
疲れたような 茅ヶ崎に
知ることだろう
見ることだろう その流れを
私の見ているこの目の向こうに



自分自身を 破壊する
プラモデルに 夢中だ
灰色の 塩ビの 人形を
真空管や ゴミ屑の
縛り口の芯に 見つめる



自由詩 レモン色の街 Copyright 番田  2010-12-08 02:04:20
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