大聖堂
アラガイs


不思議だね 。
宇宙から見れば高い石塔を見つめているのは果たしてぼくたちのどっちなのだろう 。
あの教会の外壁と窓には奇妙な生き物たちが飾られているから
きっとぼくたちの魂は食べられ
或いはきみの魂を食べているのはぼくたちかも知れないのだから 。
不思議な世界だね 相反する生き物たちの印がこんなにも永く像として生き続けるなんて 。
科学の冷静さとは…進歩と調和と或ることを考えてみる 。 仮に黒い【マスク】に覆われ白い羽根の姿をした偶像が文字化して鐘を鳴らす 。街の人々は知らず知らずに欠けたその石像の口の中に腕を突っ込んでいる。その動機とは鍾乳洞のかたちをした大天井の隙間から限りなく星の光りが…降ってくるよ 。
信じること 。
いつだって空は青いばかりじゃないけど 灰色の空だって実は真実かも知れない 。少なくとも夢のなかではそう思っているんだと自分のなかで【何か】が呟くから きみとぼくたちの罪はいつだって終わることはないのさ 。
だけどこの石塔の静けさの中/蜘蛛の足をした大天井の聳えを見上げるときの
壁に描かれた印が、こころのなかに染み込んでくるもの 不思議だね 。









自由詩 大聖堂 Copyright アラガイs 2010-12-07 06:21:42
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