One by One (冬の星)
アラガイs


そっと窓を開ければ、冬の夜空を仰ぎみる
透んだ月夜はひとつ、またひとつと星が増えていた

無臭な氷の風が、すぐに鼻先を冷たく縮ませるから
(ふぅ〜と片手で覆い息を吹きかけるとき
パチパチと、瞬きする星たちの煌めきはあたたかく
それは
父や 、 母や
兄弟たちの思い出が、耳元に囁く、懐かしい光りの輪
きっと、誰かの愛した小さな粒子のいのち/再生された夜空の瞳に
叶えられなかった願いが
ひとつ
またひとつと消えて
輝く星が生まれ
わたしは、かじかんだ手に息を吐きかけ
息を、吸い込みながら
見つめる星になりたいと、語りかける
そして
ひとり
また世界からおちてゆく









自由詩 One by One (冬の星) Copyright アラガイs 2010-11-29 06:24:44
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