いつか好きでいれた頃
番田
aikoの奏でるような 音楽を
どうにかしてマネできないものかって
つややかな髪を撫でながら たずねてみると
aikoは口を黙らせていた
今日のタクシーの中では
エロいことでもしているのかな
君は シャツの中に 小さな頭を埋めては
またニヤニヤと 笑っていたりもするだろう
あんたには才能ないからね!と
小さく 言い放っていたっけ
そう 確かに 俺は もう
君の愛したギターを廃棄したばかりさ
aikoの音楽が聞こえている 今日の日の
青い 小雨の降る部屋で
黒い布団をかぶっているとき
トラックの地響きが何度も通過していく