いつか好きでいれた頃
番田 

aikoの奏でるような 音楽を
どうにかしてマネできないものかって
つややかな髪を撫でながら たずねてみると
aikoは口を黙らせていた


今日のタクシーの中では
エロいことでもしているのかな
君は シャツの中に 小さな頭を埋めては
またニヤニヤと 笑っていたりもするだろう


あんたには才能ないからね!と
小さく 言い放っていたっけ
そう 確かに 俺は もう
君の愛したギターを廃棄したばかりさ


aikoの音楽が聞こえている 今日の日の
青い 小雨の降る部屋で
黒い布団をかぶっているとき
トラックの地響きが何度も通過していく



自由詩 いつか好きでいれた頃 Copyright 番田  2010-11-29 02:56:08
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