うんち

小さな頃に
時計を忘れて
ベランダ越しに
ゆっくり空と雨を眺めてた。

殺伐としたアスファルトの上は
不思議なほど 臆病で 落ち着きなく
速く 淋しく 意味は薄く 汚れ 喜びまでもは はかなくなりゆく
ひんやりとした道と建物の上ではたくさんの人間が無造作に何かを追いかけている。

嫌いなネオンは今では美しいと思う
本当は人間のいやな心だけがムダに目に見えてゆくことの方がもっともっと哀しい。
一番嫌いなのは人間の咳だけれど・・
今では好きになれるかも知れない。
はじめに世界を哀しくしたのは誰なんだろう。
もうはじめからそうだったのだろうね。
世界は思ったよりもとても冷たくて小さくて醜くて翻弄されてしまう。
花の咲く池があればいつも声の多い沼は同じようにそこに眠る。
それは自然の成り行きであるとして。
自然の成り行きであるとして。
拒否はしない。受け入れて生きるだけだ。
布を織るしかないんだ。
布を織るしかないんだ。


自由詩Copyright うんち 2010-11-28 18:53:22
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