雨の日の仔猫
一 二

しとしと雨降る夕暮れ刻
道の片隅で、小さな猫が凍えていた

抱き上げようか迷ったが
そのまま歩いていった

しばらく歩いていると
雨が更に強くなって
洪水が起こり
雷が鳴り出し
そして何より
真っ暗闇になっていた

振り向いてはみたけれど
あの子の姿はもう見えない
今になって後悔しても
もうなんにもならない

あの子はどこにいったのだろう
ずっと濡れているのだろうか
ずっと凍えているのだろうか

真っ暗闇の雨の夜は
寂しく悲しく思い出す

濡れた体を温めながら
寂しく悲しく思い出す


自由詩 雨の日の仔猫 Copyright 一 二 2010-11-26 22:38:53
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