高揚
りこ

新しい名前を探す
けつえきいろのてのひらは
ひらひらと音を立てて
コンクリートの上をのた打ち回る

(あの子が死んでわたし、
新しい名前がつくの)


あの子の
体の
一部として
の器官、が
そこらじゅうに
拍手、喝采

(揉み出るところは
人人にも、よく似ていますね)



黄色い胃袋を手にとって微笑む。
真赤なてのひらには
もううんざりですか。
何とお呼びでしょうか。
秋秋とした空のもとで。


季節の変わり目を踏みにじる
もうすぐあの子があらいざらい
埋められるのを待っていました

わたしに手を振ってひらひら
コンクリートの上をのた打ち回る
もうすぐあの子はあらいざらい
褐色です
埋められます

わたしひとりが光合成
厭き厭きとしたそらのもとで。



自由詩 高揚 Copyright りこ 2010-11-21 22:03:41
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