冬のある日
うずら豆

北風が冷たい
夏にセミがいたなんて
すっかり忘れてしまう

すっかり気弱な太陽
それでもマンションの窓に反射して
自分の分身を生み出している

カラカラと枯れ葉が舞っている
吹き溜まりの枯れ葉は
壊れた人間の墓場のようで

分身した太陽に照らされた枯れ葉は
本物の太陽がわからず戸惑っている

北風が冷たい
僕が僕であることを
すっかり忘れてしまいそうだ



自由詩 冬のある日 Copyright うずら豆 2010-11-15 13:08:49
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