紀田柴昌

紫煙の影に 見ゆる 君の影
君は 僕の 灰と 灰をくだく時

耳たぶはアメフラシとなり 海中を飛び
眼(まなこ)は その大海原に 溶けて 消ゆ
心の臓は 血を逆撫で 灰と化す


廃墟の庭園に 影を見出した
それは 二つ。

灰が二つ。

交じり合うことがないかもしれぬ、二つの灰
でも、それを願う


自由詩Copyright 紀田柴昌 2010-11-11 06:31:40
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