朝の君
モリー

君の残り香が漂う
淡いニヒルが在る部屋で
私は一人、朝日を浴びる

悔いることは山程あり
嘆息をつく暇すらない
林檎をほじっては
諦めぬよう口をふさいだ

ただ、君は
何も識らず走っている

やらなければならないことを
やり終えないままの欠落を
触れてはくれない
君はそうやって育ってゆく

千切れた思いを胸に抱え
未だあたたかい光の中
空を見ずとも
今日は雨だと一人泣いた


自由詩 朝の君 Copyright モリー 2010-11-01 06:15:54
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