失われた空
うずら豆

沈む太陽は真っ赤に染まり
朝に真っ白になって蘇る

雲はこのドラマチックな再生を
反射させて演出する

空はこの死と再生の間を
透き通る蒼で見守っている

鳥はそれを知っているから
太陽にサヨナラは言わない

陽が落ちたら静かに眠り
また飛び回る夢を見る

そのことを忘れた不夜城の街は
時計が一回りすることしか知らない



自由詩 失われた空 Copyright うずら豆 2010-10-29 22:02:52
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