The Beatles/Why not me?
はだいろ



ビートルズの未発表音源の中でも、
1966年のいわゆる「フーダニット・セッション」の媚惑的な輝きに、
迫るものがあるとしても、
ジミヘンドリックスがエレクトリックベースで弾き語る「君が代」の他にはあるまい。
遠回しや誤変換のいらつきは別にして、
ポールがジョンの差し歯をいたずらに屋根に放り投げ、
まごついたジョージがついつぶやいた、
『ぼくのにしとけよ!』という優しさが、
カントリーセッションに明け暮れたバディ・ホリーズ・デイのリンゴに伝わったかどうかは、
リッケンバッカーの語源の震えと同じくらい疑わしい。
だけど、いつも肯定せよ、
YES IT IS
赤い服じゃない、ブルマを履いていた、ぼくの初恋の女の子は、
昨日の夢にも出てきて、
ぼくを体育館のはしっこまで遠ざけた。
ぼくの胸はあこがれと熱情で張り裂けそうだった。
ジョンはディランの東関東なまりを耳元でささやき、
あまりにも可笑しそうだったので、
ほんとうにイカれた野郎だと思った。
でもぼくのほんとうの友達は、彼の他にはいなかったと思う。
ポールはいつもぼくを嫌いだ。
ジョージはいつもぼくの他人だ。
リンゴはいつもぼくに冷たい、優しくなれるときの他には。
ジョンの詩は、こんなかんじで、ぼくが韓国語に訳した。
いま、韓国のマニアが発掘するシンガーソングライターシリーズの中に、ひっそりと収録されている。
日本でも発売予定であるけれど、ビートルズの表記はなく、
ただ、マンゴーパリス・バックローズの表記があるだけである。

 Why not me?(Lennon/McCartney/Starkey)

I love you so babe
I love you so much
But
Why not me
Why not tonight
I love you so
baby
Please don't let me stay here














自由詩 The Beatles/Why not me? Copyright はだいろ 2010-10-26 20:41:08
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