くぐる
乾 加津也

起きるのに
ちからはいらない

仮想と現実のライラック
ひろがりさざなみあう窓辺で
けだるさふくらむカーテンとすこしの
日のひかり

笑い声が怖い
と生まれる七つのせかい
親切が痛い
とまた七つ

ひとつの
躯をよこたえる
カルン カラ コラ
わけいる下駄

いつか いかず いなまず
待つ瀬
/発芽(ゆめ)

ねむるのに
ちからはいらない
窓のむこうからくる
丸いちからにさわる


自由詩 くぐる Copyright 乾 加津也 2010-10-21 21:16:29
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