日曜日の光と雪
さだあいか (サダアイカ (aika))

目を閉じて
太陽が昇り
沈んでゆくように
視線を動かし
頭の裏側の出来事をみる

頂点はいつも気持ちがいい
沸点で水と水蒸気がとけあっているから
熱くまじりあっていて
苦しくてあぶなくて
たまらなくて
交わりたいの
神さまと
感じたいの
幸福よ


オレンジの発光
広がるような点滅
しっとりとあたたかな
ひだまりにいるみたい
ゆるやかに虹はかかり
したをころがる
やわらかな空気
生まれたてみたいな
いいにおい
とってもおいしい
おだやかな風
鼓膜に触れる
天からの声
気持ちよさそうに滲み
閉じた瞼のなめらかさ
空の落とすであろう
汗の音を感じて
体の輪郭を手で覚えれば
みえるかな
遠くに海がみえるよ
連れてって
優しい灯台の光
とまって

光りよ
祝福のキスみたい
感じる
感じるだろう
めまい
幸せ
脳みそが引き抜かれるような
まぶしい
真っ白な暗闇
しゃべることは出来ないで
埋まってゆく砂浜
ああ
息もできない
しびれ
まるで祈りみたい
一部でも触れあえたのなら
それだけでいってしまう
さよなら
神さま

凍った脳みそがだらしなく溶け出し蒸発する
知られたくない純粋とか想いだけが残って
しゃべる言葉はいやらしく揺れてゆくのだから
祈りの言葉を知らないわたしは
恥ずかしくて逃げ出したい
たぶん死ぬ前に口に含む
氷のように
一瞬

夢をみる
ずっとずっと先の未来
日曜日のような神さまと
川ぞいを歩いて
手をつなぐ
夢をみて笑って
夢からそっと手をはなす



ほんとは
生きていてくれるだけでいいの
ずっとずっと生きていて
もうそれだけで奇跡みたいよ
どうかあなたが幸せに包まれてゆきますように



わたし
天国みたいな空をみて
時をごまかして
言葉でおはじきをする
貞淑な尼のふりして
口角をあげて口を結ぶ
誰にも言わない
微笑んでいるみたいな約束
向かい風だわ
さよなら
神さま



もうすぐ
わたしのもとには
光のような雪が
音もなくゆっくりと落ちてくる
夜を真っ白く白く染めようとするみたいに
とめどなく
とめどなく
誰かを想うみたいに




自由詩 日曜日の光と雪 Copyright さだあいか (サダアイカ (aika)) 2010-10-15 17:27:51
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