Godhand〜神の手
アラガイs

‥などと言えば
マラドーナの疑惑のゴールだったり 至高の国宝工芸を造りだす人のことを指したりするわけだが
或る人によっては何やらよからぬ癖などを想像したりもして
ニヤリとするなんてこともあるかもしれない 。
しかし こうして僕はスーパーの入り口に立ち昼間から店内にはびこるお年寄りたちの多さの事を考えると
やれ年金だとか保険だとか、将来自分の為の真っ白な介護ベッドの事だとか‥果たして居場所はあるのだろうかと、普段考えもしない明日のことが呼び水にでも誘われるようにふと‥不安になってきて考えてしまうが
そんなことより
あ〜 おじいちゃんもっと早く歩いてくれないかな〜 いったい何を買いに来たんだろ
おい ばぁさんそこは男性トイレだぜ‥
などと
何かと年寄りは邪魔者扱いにされがちで、手前でノロノロと車など運転しているのをみれば、 おいおい こんなときに目を瞑らないでくれよ‥ などと心配をしてみたり
でもこんな風に思っている俺たちだって明日のことはどうなるかわかりゃあしない 。
そういえば
昔の道端ってお地蔵さんがあったんだよなぁ と、 ふと 交差点で信号の点滅を眺めていたら
三途の川の向こう岸から 、「神様」か「仏様か」 透明な光りのなか、誰かの手招きする合図で 年寄りたちが きちんと整列して順番を待っているではないか

以前病院に父を見舞いに行ったとき、看護婦の誰かが言ったっけ〜昨日は昨日
今日は今日
‥ほんとうは このことかもしれないな


僕は 信号の青色に気付くと 何やらわかったような顔をして車を走らせた 。







自由詩 Godhand〜神の手 Copyright アラガイs 2010-10-15 13:41:01
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