その裏側で
番田
私は親友を夜ふけに忘れ去る
しかし私の道を歩んでいる全体を忘れていない
夢の世界をぼんやりと闇に照射しているとき
そして 今日も友人たちと共に日に失踪しようとするとき
私は無意識に探す 視界の逆側を
*
あの とても素敵だった 憧れの二人組の女友達は
けれど とても尊い存在だと私は時々感じる 二人組の女友達のことを
思っていた 二人の女友達の時々のあの素敵な微笑みを
そう あの素敵な そこでぼんやりと微笑んでいる二人の女友達の顔を
ああ 二人の女友達の恥ずかしがりやでいる 過去の私の目の彩りを
そこで笑顔として眺める いつかの私の二人組の女友達として
*
私は遠い過去の思い出を日々に流れる
そして水色の奥の方に私は崩れこんでいく
私の この 爪の 色の
体の ズボンの 青の ジーパンの
そして 緑を オレンジを シルエットを 強さを
緑色に 数字に 紙に 落書きに
白の その色を ちぎれる 糸くずに変え
目は 今日も何ひとつしてはいない
私の思いを空間の中に消失する
事がらを瞳は 虚構としてしか見ていない
裏側に迷い込んでいるかのような思いで見つめる
ゆるんでいる音階のひとつを 時の鼓膜で
千切り取っている 台風の雨に白む世界を
そして 暗い雨の降りしきる黄色の光の日の出の日であっても
私は湾曲する感覚の音階のひとつに 鼓膜で触れようと
今日も暗い雨の降りしきる 水色の冬の日であろうとも
その黒色の漂う感覚を 私は手中にしようとしている