第6セクト
高梁サトル


断片的に腐敗してゆく
囚われの大地に
種子が落ちて芽吹き
雨が枯れようと
禍々しさのない陽に
両の手を広げ
受け入れる

知識を持たず
本性に従って生きるものたち

裸の木立の静けさは
善良な/残忍な
旅人を癒すのだろう
存在で

 (きみの名前を暗記して
 (持ち合わせたあらゆる知識で彩り
 (反唱する
 (洞察の美しさを添えて

宇宙は組織を生さない
真理は星座を作らない
何にも強制されない/強制しない
大地を目指している
それは
花の咲く
やさしい場所

再び
わたしたちの出会う


自由詩 第6セクト Copyright 高梁サトル 2010-10-13 00:50:22
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