小谷城訪問の旅
生田 稔

小谷城訪問の旅

そよ風の朝の坂本後にして白き雲ある道走りゆく

青い空身を清くしていそしみし神の道にも希望をこめて

かすむ山湖の彼方にひろごりて藍色の水うみを望むよ

青き空そよ風と四人連れ立ちて行く手も知らぬ我が身なりせば

ひつじ田に杉林つづく左手に走る車のわたくしたちよ

びんぼうを貧しいと言え新しいことわざ湧きてうなずきにけり

雲は行く雲は行きけり秋の日の連れのおみなご盛んにしゃべる

安曇川の中江藤樹の街に来て近江聖人すすきたなびく

浜千鳥空に飛び空気は清き浜辺ゆくなり秋たけなわ

百瀬川鷺群れつどい陽は高く連れの人々打ち興ずなり

山巡り海津天神祠立つ道をたどりて行きにけるかも

沓掛の時次郎の所縁なる町を過ぎゆき終着間もなし

小谷城お市の方のつかりし湯浴びて庭見る昼下がりなり



短歌 小谷城訪問の旅 Copyright 生田 稔 2010-10-12 06:32:15
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