風俗やめたい
はだいろ


今年は、やたらと、
三連休が多い。
罪なことよ。
だってその長いむなしさに耐えきれず、
つい、
また、
女を買ってしまうから。

「女を買う」というけれど、
むかしのような粋はそこにはない。
なんでも同じだ。
なにもかも消費対象でしかなくなった。
味気ないものだよ。
むかしを知ってるわけじゃないけどさ・・・
きっとなにか、
違うんだと思うんだ。
こころの機微のようなもの。
ひだとひだの絡み合いのようなもの。
そんなものは、
もうないよ。

きょうは、ついこないだ遊んだ子と、
また、ロングタイムで遊ぶことにした。
鴬谷をうろついてたら、
おまわりに職務質問された。
むこうもおつとめだから、
大麻売りとかいるらしいから、
ごくろうさんな話だけれど、
ちっとも、
粋じゃあないよ。
ぼくは遊びにきただけさ。

もしぼくが、おまわりになってたら、
同じように、
怖くなさそうな男に、
職務質問したのかもしれないけどさ。


おっぱいを東と西にみたて、
どっちに宝があるの?
って、ふくらはぎを舐めまくってたら、
ものすごく女の子が喘ぎだした。
でもこんなものさ。
よく見れば、ちっとも可愛くないし。
よくにおえば、おまんこのにおいがするし。
気に入って、
何度も呼んで、
仲良くなった気がしても、
お金がたまれば、
すぐ辞めて、
それっきりさ。
なんの粋もありゃしない。


もう辞めたい。
ほんとうに辞めたい。
風俗遊びはもう辞めたい。
だけど、
食欲があるように、
睡眠欲があるように、
どうしたって性欲はある。
仕事はひどいストレスまみれだし、
明日からのことを考えると怖くて、
女に抱きついてしまう。
でも、
辞めなくちゃいけないと思う。
なにかが違うのだ。
決定的に違う。


遊んだすべての女に、
ぼくは感謝を捧げたいと思っている。
辞められるかどうかは、
わからないけれど。
どうか応援してください。
禁煙とは訳が違う。


次回の女に使おうと思っていた、
一万六千円で、
東ドイツ製の、くまのぬいぐるみを買った。
あまりにも可愛かった。
ずっと友達でいたいと思います。
いっしょにいろんないたずらをしたい。
人生を遊んで暮らしたい。
風俗はやめよう。
お洒落をしよう。
仲間や、
恋人を、
街へ、
探しにゆこう。






自由詩 風俗やめたい Copyright はだいろ 2010-10-11 16:35:02
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