ぼくはカノジョにダイブする
吉岡ペペロ

目を握り

手をつむる

足をかしげ

首をまえに進ます

でたらめな直進性が

ぼくを日常に導いてくれている

ぼくはカノジョにダイブする


家電屋からでんわ

カノジョは26インチにしたそうだ

遠赤と除湿器も買うんだそうだ

人混みのなかで

困り果ててはいないだろうか

高校生のとき教室にわりと大きなゴミが落ちていた

先生は生徒に捨てにゆくように命じた

生徒はとなりの教室にそれを捨てて戻った

カノジョはそれを知って帰り道泣いていた


おまえは、さびしかったんだろう、

ゴミの件だけじゃなくて、さびしかったんだろう、

でも、それは、おまえだけのさびしさじゃない、

カノジョにぼくはダイブする


目を握り

手をつむる

足をかしげ

首をまえに進ます

でたらめな直進性が

ぼくを日常に導いてくれている

ぼくはカノジョにダイブする





自由詩 ぼくはカノジョにダイブする Copyright 吉岡ペペロ 2010-10-10 19:31:54
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