滑車
たもつ

水道水にかぶれた皮膚のあたりを掻く
描いていたのかもしれない
赤く、ぽつぽつと、
夕日の質感に似せて
 
滑車に吊るされている重量のないもの
贅沢は言わない
ほんの少しでも重みがあれば
その範囲内で生きていける
 
幸せ、とは問わないこと
答えを導けるものだけ
問い続けること
 
紙飛行機が空と空の間を飛ぶ
一筋の飛行機雲を残して
滑車に当たり視界の全てが墜落する
 
 


自由詩 滑車 Copyright たもつ 2010-10-08 20:00:07
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