涙と鼻水と
くゆら

2週間前


わたしが切り出した


別れ


彼は嫌だといった



彼はすごく仕事が忙しいのだ



知っているし


解っているつもりだった



どうにも女の性とゆうものが邪魔をしていた








2週間振りの電話



彼が切り出した



別れ





私は彼の先をいっていると


思いこんでいた







言葉じゃ言い表せない



感情が込み上げて





涙腺が緩んでいく




私が嫌いになるように


たくさん言っていたけど




5年も居たら声でわかるのさ




話の途中でちゃかす彼の



鼻水をすする音が



しきりに聞こえた




電話を切る間際



わたしは涙まじりに



いつも一番考えてる



言いたくなかったけど



口から出た言葉





彼も涙まじりに




それだけは解ってる




俺を一番理解してる人




ほんまにそれは解ってる






涙腺がもっと緩んで





ただただ泣いた






彼が切り出した



別れ は



彼の最後の優しさだった







自由詩 涙と鼻水と Copyright くゆら 2010-10-08 02:29:07
notebook Home