理由
たもつ

 
 
鉱石の中で音符が溺れる
横のようにただ長いだけの真昼
旋律とは名ばかりの
みすぼらしい数々の記載

私たちの身体は何も語れない
具体的な生活を持たない
単なる肉の塊にすぎないから
有機物と無機物の狭間で

屋上などで風に吹かれていると
身体にも理由がある気がしてくる
理由を探すことが理由になる

唇が動き発声器官が振動する
語れない私たちにとって
言葉はあまりに優しすぎる
 
 


自由詩 理由 Copyright たもつ 2010-10-05 22:34:45
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