部品
たもつ
昨晩、言葉をひとつ忘れ
人との会話がおぼつかない
壊れてしまった
ジュークボックスのように
直射日光に溶けていく日傘や
くもの巣にかかった小さなプロペラ機
そんな類の話を
うまく伝えることができない
明方ふと目を覚まし
時々自分の両手を見る
その曖昧な形
やがて言葉が戻ってくる
押し出されて
私の部品がひとつ転がり落ちる
自由詩
部品
Copyright
たもつ
2010-09-25 18:31:30
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