鶏肉が教えてくれた
番田 

最近料理をしている。あまり外では飯を食べない。特に肉に関してはそれが外では冷凍されていることがほとんどなので、おいしい肉を食べたくなった時であれば、なるべくそれを自分で買い、焼いて食べてみることをおすすめする。また私は家では様々な食材を使って料理をしようと試みている。街に並んだ定食屋やチェーン店などではこういった食材を賞味期限切れにならないようにしてどのようなスパンで料理していっているのかと、本当に謎が深めさせられた。最近私は焦げた鶏肉を食べてみた。それはとてもまずいものだったが、なかなかまずい料理というのも外では食べられない代物かもしれないと思って、全部食べた。一人暮らしを始めて、そういったチェーン店や料理店で外食をすることが私は頻繁になっていた。しかし最近、腐った鳥肉を私は食べた。おそらく外食のものは初めから冷凍してある肉や野菜を解凍しながら使っているからだと思われるが、その場合米以外の鮮度はまるっきり落ちてしまう。そうしては、恐らく大量の塩や調味料を使用することにより、天然の少なくなった旨味成分を誇張化させて販売しているのではないか。それは、なかなか大変な事実だと思った。なおかつ鶏肉は臭みがあり、焦げていたが、なぜか私の吐き気はあまりしなかった。唐揚げにしてしかも強引に黒く焦がしてしまったものである。第一に冷蔵庫に新鮮な食材を貯蔵しておくことは、不可能に近い。しかしまず、まずい料理とは、こういうものなんだなと思い知った。だから今、うまいものとまずいものとが私にもわかるようになってきたのかもしれない。解凍することにより、肉も本来の舌触りなどが無くなってしまうものである。


我々は、なんとなく舌がそういった加工品が使用される食品に慣れてきてしまっているので、本当のおいしさに触れた時の感覚を見失ってしまってきているのかもしれない。自分で手に入れて、自炊するようになったのだけれど、管理されたもののほうが遥かにうまいものなのだなと最近感じる。肉にしても野菜にしてもそれを無事加工して料理に変えて行くための、一週間単位のプロセスが加工する側には絶対に必要になってくる。しかしどこかでまた運良く期限切れのセール品の肉を手に入れられたとしても、外食産業では、だからそれを、食べられるようなものに変えるための何らかの手段を取っているように思われる。


散文(批評随筆小説等) 鶏肉が教えてくれた Copyright 番田  2010-09-25 03:33:54
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