dragon phantom
TAT










ざつざつと














黙々と














私達が進んでゆく山の頂





















何日も何十日も








或いは何年も














目指し
















ようやっと到達した頂から臨む景色



























































待ち焦がれた風景は



















果たして白一色の














悪魔じみた手つかずの原野だった

























私達の内の何人かは膝を折り














絶望に沈み



















『お疲れ様』と


























格好付けてそう笑った























私達は彼等を殴り

















立たせ


















尚も歩き


















且つ



























殴っても立たなかった


























複数の彼等を止む無く雪山に棄て


























そうやって道を急いだ
















































目もくらむような果てしない白い地平線を





















今度も目指す事にした































竜が


















あまりにも






























美しかったから


































その時羽ばたいて鳴いたスケルトンブルーの竜が


























無常にも
























気高かったから、、、、、


























白夜も多く不確かだが恐らくは
一年が過ぎたであろう365回目の夜に
腕にナイフで傷を付け
















その傷はもう四十数本にもなる



















あくまで私の傷は










という話だが

















最も年老いた私達の中の長老の腕には



























傷は174本刻まれている




























昨日は『竜と語り、竜の言葉を聴いた』と皆に告げた仲間に





















長老が引き金を引いた



























『奴は愚かにも神に成ろうとして嘘を言ったのだ』と





















長老は言った













































特にその言葉や処刑に感慨を覚えはしなかったけれど





























自由詩 dragon phantom Copyright TAT 2010-09-23 23:24:49
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