天海のわめき
信天翁

庭のむくげが猛暑で負けた
 腐った水密桃のようになって
庭の隅がわくらばで参った
 燃えるごみの置き場所のようになって

「風」がうなだれている
  「光」は怒鳴り散らしている
「時」もみけんにしわをよせている
  「空」だけがあっけらかんとしている

沈む独房の窓をのぞいても


自由詩 天海のわめき Copyright 信天翁 2010-09-23 21:14:40
notebook Home 戻る  過去 未来