目撃したもの
砂木

いつか書こうと思っていたものに竜巻があります。
あれは何年前だったでしょう。
天気のいい日に 屋根に布団を干したのです。
家のすぐ裏が山になっていて日暮れもはやいので
午後三時前には部屋の中にとりこもうと屋根の上にあがり
何気なく前の家の 池をみたのです。
少し風が吹いていました。池のすぐ側に雑草が少し生えています。
雑草が 風に 右に左に揺らされています。
建物の位置の関係なのか 風がどこをどのようにぶつかって
そうなったのかはわかりませんが 右に左に揺れていた草が
しだいにつむじになり 小さなつむじ風が上に湧きあがり
人の大きさほどの竜巻になったのです。
あっと 思ったのは 何気なく 揺れる草を目にしてから
ほんの数秒くらい後で そしてその竜巻は しだいに大きくなり
なんと屋根の上の私の方へ向かってきたのです。
ぎょっとする暇もなく干している布団にしがみついて
とっさになんとか体を小さくして呆然としていると
その竜巻は屋根の上を通り過ぎ 家の裏山の方へと向かっていき
消えて見えなくなりました。
発生から消えるまで 本当に あっという間の出来事でした。
大人の人より大きめの竜巻というか つむじ風というか
あれはなんだったのでしょう。被害は何もなかったですが。
だいぶ前に おたまじゃくしとかめだかとか 妙な場所に
落ちていると話題になった時 水辺は風波がまた風を作りだしそうだし
あの小さなつむじ風が日本中に起きやすくなる何かがあれば
別に不思議な事ではないなあと 一人勝手に納得していました。
勿論 なんの証明もできないし ひとりよがりの発想ですけど。
テレビで 大型の竜巻が発生するのは雲と関係があるような事を
言っていたのを見たような気がするのです。
ではあれはなんだったのでしょう。かまいたち とかいうものでしょうか。
不思議なものの生まれて消えていくのを見て いつか書きたいと思いつつ
証拠もないし学術的な事もわからないのでやめてましたが
竜巻の被害などというものが増えてきているような気もするし
書けるだけ書いてみました。拙文 失礼いたしました。


散文(批評随筆小説等) 目撃したもの Copyright 砂木 2010-09-22 22:50:12
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