under the rain, under the moon
は やしや も  り

デートをした。


中国の女の子で、
体は僕の3分の1くらい。
にこにこしながらくすくす笑う。


出会ってしばらく離れていたけど
思い出したように手紙を書いては
それぞれ送り合っていた。


初めて会った時、
その人は首から単語カードをぶらさげて、
けんめいに僕らの言葉を聞いては
意味のわからない単語を書きとめていた。

あってすぐドキドキしたし。
話していると、どきんとした。




3年ぶりに会った彼女はとても小さく、
やはりくすくす笑っていた。


お互いに好きな建築を見て歩く。
手紙と同じ、平熱の話をしながら。


美術館のうす明りで
横顔を盗み見るけど、
変わらないものを確かめるほど
僕は彼女を知らない。


視線に気づいてほほ笑む笑顔を
直視できずに頷いていた。



兄の彼女が働く喫茶店で話しながら、
彼女が頬に手を当てた時、
彼女のゆびには指輪があった。

彼女は人と住んでると言った。


見降ろした、夜景にふってた雨はやんでいて。
見上げた月は、少し欠けておにあいだった。


自由詩 under the rain, under the moon Copyright は やしや も  り 2010-09-22 14:27:15
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