金魚
青井とり



吐き出せば言葉になる

何度も舌の上で転がせば
溶けてなくなってくれるような気がしたのだけれど
ただ焦がれるばかりだった


私はあなたの背中しか見ないよ
ああ でも
揺らいで 揺らいで

夏の終わりの金魚のよう
ゆらりゆらりと
赤い尾を靡かせてみたい



自由詩 金魚 Copyright 青井とり 2010-09-18 19:49:05
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