不季途
木立 悟








暗がりを作る小さなものを
目をつむり見つめる
どんなかたちも妨げない
光の矜持がある


よびさます きざまれる
ふりまかれる こがねでもあり
みどりでもあるもの
けだものの 足音


降るものに向かい
昇るものがあり
すれちがうばかり
まばゆいばかり


足跡を追い
足跡はつづき
波が運ぶ鈴
陸をふちどる


ひとりにみどり
わたすともなくわたされて
ひらくことがこわい子は
もうひとりの子の手のひらへ


水紋をめくるとすぐ下に
異なる別の水紋があり
重なり 布になってゆく
縦の水になってゆく


目をあけること あけないことのはざまから
離ればなれのみどりが生まれ
夜のこがねをさがしにゆく
夜のこがねを さがしにゆく
































自由詩 不季途 Copyright 木立 悟 2010-09-17 22:38:48
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