世界が 新しくなっては
あやさめ

ベルトの上を流れてきた
斑模様の機械製品の
ねじがゆるむこともなく
大きな箱の中で分解して
飛び散ることを目的とした
たくさんの鋭利な欠片となり
向こうの平野に沈んでゆく様子

 ゆらめいた新世界のふりをした
 ちぎれた地面の間からガスだけが火を吹き上げている


勝手に湧き出してくる水でない空気
流れ落ちてきた色のない液体を注いで
水面はいつも光っている
それを「呪いが解けた状態」と冗談交じりに聞かされた


            ....このパッカーの中身は?はい、1番に入って空けて
              爆発だけはしないようにこれらの中に穴を開けて
              そうそう、それらは引き上げてフロンをqzwxecrvtb....
 

壊れてゆく先はいつも暗い
土のような明るさの中で鎚は振るわれて
見たことのない方角から新しくやってくる

 ガラスの欠片に見えた旧世界の出来事
 誰かの指先もきっとあそこに埋められて
 二度と見つかりはしない




あの青いプラスチックの下に
 誰かが転んで寿命の尽きたストーブ
  もしくは燃え尽きた花火たちの中に
   全員が寄りかかったテーブルが見えていて

    時々は誰かが歌っていた大きな機材の破片たちと
     永い眠りについているはずの地層が重なり合って

      もう一度化石を作ろう そう黙りこんだはずの時間があったのに
     


 ──昨日、ここで五百円玉を拾った時は
   そっちの山から水が落ちてくるような

   それだけの風景でした。──



もうすぐ向こうの谷も丘に変わる
そうしたら靴を履くことも既に忘れた
多くの存在という噂だけが同じ高さで
飛びこんでくる


世界が
 新しくなっては
  何かが埋められた


壊れてゆく先はいつも暗い
土のような明るさの中で鎚は振るわれて
たくさんの鋭利な欠片が
平野に沈む


自由詩 世界が 新しくなっては Copyright あやさめ 2004-10-18 23:54:24
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