夜の笛
佐々宝砂
口に含むたび
かみ切ってやろうと思うのに
かるく歯をたてることしかできない
こんな瞬間でさえも生殺与奪の権をにぎっているのは貴方なのだから
泣き出す寸前の子供みたいな顔で
貴方が嗚咽するとしても
わななく夜の笛が
私のためではない旋律を歌うとしても
私はずっとここにいて
いくどでも
夜の笛を吹くから
私の手をそんなにきつく握らなくていい。
パキーネ(Pakiene)名義で発表の過去作
自由詩
夜の笛
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佐々宝砂
2004-10-18 17:15:19
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Strange Lovers