期待に揺れて
ゆず

愚痴を聞いてくれる「誰か」
グロッケンを演奏する「誰か」
一緒に登校する「誰か」
会ったら手を振り合う「誰か」
優しくしてくれる「誰か」
思いきり罵れる「誰か」
愛している「誰か」

その「誰か」は私じゃなくたっていいんだろ
いくらでも代用が利くんだろ

「そんな訳ない」だなんて言わないで
泣きたくなるから
心が勝手に 泣き出すから

どうして世界はこんなにも
私に優しいのか
紛い物だらけの この世界は

信じられないから
信じてもらえない

いつもいつも 絶妙なタイミングでやってくる
愛情と憎悪に
手を伸ばすことなんてできない
振り払うことなんて尚更

ちくしょう、
私はまだ頑張れる。


自由詩 期待に揺れて Copyright ゆず 2010-09-06 20:47:59
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