あおぎみる、なつ
唐草フウ

服を脱げば
汗をぬぐえば
そこには
熱い風でもない湿りでもない


夏が


夏というものが現れる



幼子のころを思い出すなつ
幼子はおとなにあこがれた
おとなになったら
きっと宿題もなくて
おかねがたくさんつかえて
すきにいきられる



おとなのいまに宿題はない
といえばない
でも同時にいくつもの昆虫もさかなも
あたまのなかで生かし ころし
あのころ、あさがおの鉢からこぼれ落ちて
そのままに生かしてたら
森になって






照り返した
コンクリートのはこへ 吸い込まれ
夏をまとわりつけたままのわたしは

風が吹いても冷めない夢の段

転落は秋










自由詩 あおぎみる、なつ Copyright 唐草フウ 2010-08-28 00:56:26
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