たそがれたい
うめぜき



私はたそがれたいのだった
熱い紅茶をくちびるを湿らすように飲むと

赤い楓の葉がぼんやりと庭先に佇んでいる

胸がぐっと引き裂かれていくと
むき出しになった夕陽がじゅくじゅくとしていて

私はたそがれたいのだった
喉元を熱い液体が過ぎていく

あなたが本になって風にめくれていく
胸がぐっと引き裂かれると
耳元を風がくぐるのだった







自由詩 たそがれたい Copyright うめぜき 2010-08-28 00:00:29
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