もういいよ
朧月

どちらにしても
人差し指と親指とを
くっつけたぐらいの大きさでしかない
わっか 
それぐらいの愛も私はもってはいないのだ
だれにも与えることはできないのだ

永遠だとか未来だとか夢だとか
一人分の自分勝手なものしか
押入れにしまっておかない

引き出しからは
入れっ放しの思い出が
たまにカタカタいいます

薄く開いたカーテンは
窓もあいていないのに
未練のように揺れている
そんな部屋にいても

もういいよ って答えてる
もういいかいってきかれないから
終わりってことにしないと
この想いは
封じることができない

もういいよって つぶやいて
頭からすっぽりかぶるよ
夜のカーテンしめても
この心にいつまでも終わりはこない



自由詩 もういいよ Copyright 朧月 2010-08-17 22:40:37
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