移ろうものと共に進んでいく
うめぜき



旗がなびいている
誰かが、立てた旗だ
陽炎の向こうで、たなびいている
風は、あたたかい
熱が、宇宙へと広がっていく

  ※

私たちは行進だ
宇宙を往く行進だ
時々は小惑星同士の衝突や
闇に吸い込まれてしまう星もあるけれど

私たちは爆発だ
大切なあなたの横を往きたい
、思いはいつも爆発を繰り返す
そうして私たちは宇宙を広げていく

  ※

旗はあなたに伝える
旗はあなたを伝う
時には鉛色の、風があなたを押す
どこまでも私たちは行進する
時々諦めて、座り込んだりもするけれど
私たちは旗だ
風に逆らわない、風の姿を現す、旗だ

  ※

私たちは宇宙の片隅で
愛することの意味を探す
言葉ではあなたの頬に触れられない
時々は、わかっている

私たちは宇宙の片隅で
言葉を誰かに捧げている
祈りとか苦しみとか哀しみとか
とにかく言葉にすると色褪せるものの為に

旗がたなびいている
諦めようにも、時はただ風のようだ
足並みに美しいメロディは潜んで
あなたは私と同様に
移ろうものと共に進んでいく
胸を張れ
あなたは、諦めても、諦めても
跳ぶ為に、生まれた

  ※

宇宙の片隅で
旗が
あなたの為に、ただ、
風に、なびいている

風は、あたたかい
熱が、宇宙へと広がっていく





自由詩 移ろうものと共に進んでいく Copyright うめぜき 2010-08-16 00:20:13
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