鉄
バンブーブンバ
気がつかなかった
包丁で
指先を切ると
鈍い音がした
そこに涙が滲みこんでゆく
指先から
手首
肘
二の腕
鎖骨
うなじ
と
錆びついてゆく
どれも好きな部位からだった
限界だった
メールを打つ
親指は
軽やかに脆性破壊する
プリーツの君が
玄関を叩いた
ハンマーを担いでる
振り返りざまに
一言伝えようと
開かない口を開こうとして
君が
大上段にかまえた
自由詩
鉄
Copyright
バンブーブンバ
2004-10-15 20:15:26