京都
真島正人

おぉ
私の懐かしい
ふるさとよ
お前は私とは
違うな
お前のほとんどを
大阪が
奪ってしまった
私が
目を閉じれば
まぶたに映るのは
違う青空だ
私ののど仏に
刺さった小骨は
魚のものではない
私の
恥辱を
骨の形にしたのは
鴻池ではない
私は
今夜
地に足のつかない
酔いどれだ
深夜3時の
タクシーに
紅谷町までの
行き方を話す
遠い、
遠すぎる
私のふるさとから
連綿と
培われた……あぁ
豚の精神
深い谷間で死んだ
ただ一人分のともし火
何が
叡山沿線で
行われたのか
何が
KSDで
行われたのか
イカレタ
頭の
学生どもが
日常から逸脱した
赤ワインを頼む
「ねぇ、いっそボトルで」
いいじゃん、
それ。
美味いよ、
きっと。
ろくでもない
無内容な
日々を
たれ流しているのは
僕のほうだ
「旦那衆の真似事ではない、本当の旦那」
の馬鹿らしさを
君たちにも
示してやろうか?
でも、
ここは天満橋の
Cホテルの
二階の警備員室
府が買ってやがるくせに
SK新聞しか
送られてこないのはなぜだ
本性を暴いてやれ!
正当性や
不文律などここには
存在はしないと
あぁ
歯はちゃんと
磨いてきた
母の微妙に不文律な
膣もちゃんと!
放課後の
ダージリンと
ビタースィート
チョコケーキ頂戴
川を渡りたい
私は
渡っているよ
鬼津川に似た
別の土地に
もう一歩近い
別の
川を。


自由詩 京都 Copyright 真島正人 2010-08-07 03:01:25
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