[コインランドリー]
東雲 李葉

コインランドリーに行く道でゴキブリが潰れて死んでいた。
蝉のうるさい夜だった。洗濯物は重かった。

10日分の汗がこんな小さな一袋で流れるという。
時計を見れば40分だった。雑誌を3冊読み終えた。

乾燥機では下着が時々宙に舞っていた。
宇宙に行ってみたいと思った。しかし柔らかな手触りは愛しかった。

コインランドリーからの帰り道、ゴキブリは潰れたままだった。
月の見えない夜だった。先の見えない夜だった。


自由詩 [コインランドリー] Copyright 東雲 李葉 2010-08-03 09:06:30
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