ふるさとではきこえない
たりぽん(大理 奔)

記憶は
思い出に似ていて
にどと戻りはしないのに
私の体を小刻みにふるわせる

港町の風景が逆光の影のように
寒くてしょうがないのはきっと
季節を呪った
ブランコのせい

吹きかけた息のぬくもりを
手のひらに感じたいのだけれど
少しだけつぶやいてみた君の名前は
凍ってしまって
誰にも
聞こえなかった





自由詩 ふるさとではきこえない Copyright たりぽん(大理 奔) 2004-10-12 23:16:25
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