創書日和「塩っぱかった、雨。」
狠志
コトバが決まらない中、とりあえず、取り留めもないまま、コトバを探して、夜のアスファルト、雨の匂いを反射する。
梅雨のあけたばかりの、少し寒い夜空に、アイスを頬張り、またコトバを探す。
濡れはじめてから、ずぶ濡れになる間、コトバは増水した川に、アイスごと流され、地球の一部になった。
一度、綺麗しようとシャワーを浴びてみたけど、水滴の数だけ、コトバが流れていった。
結局、コトバを探せないまま、ベッドに入り、涙と一緒にコトバを流した。
塩っぱかった。
コトバが見付かった気がした。
また、泣いた。
この文書は以下の文書グループに登録されています。
創書日和。