現代思想は何を問題にしてきたのか?
天野茂典

  


  ジャック・デリダが/
  が/
  死んだ日/
  チベットのモーツアルト*は/
  差異のユートピア/で
  ざわざわ/
  ざわざわ/と
  さわ蟹に/
  囲まれて/て
  にわかに気色だっていた/
  ガタリ/と
  堕ちて/
  世界のちいさなさわ蟹/が
  いっせいに/
  蜂起し/
  脱構築(デスコンスクトラクションの首都にむかって/
  目玉を/を
  突き出し/
  流れにひたたり/
  ひたたらせながら/
  濡れたままで/パリへ
  ざわざわ/わ
  ざわざわ/
  AKAI KOURA を/を
  日干しにして/して
  現代思想のひとつの山が/が
  崩れたことを/
  すでに破局は始まっていた/のだ
  が/ドゥールーズのように
  アパートメントから/から
  身を投げた/ような
  死に際でなくて/て よかった

  ジャック・デリダ/
  ナイジェリアの風は/は
  熱い/

  日本の頭脳/立花隆は/は
  既に思弁哲学に/匙をなげていた

  それでも/さわ蟹は油のように/に
  もえながら/ら
  いまでも/も

  首都をめざしている//



      *中澤新一の哲学書

              2004・10・11


自由詩 現代思想は何を問題にしてきたのか? Copyright 天野茂典 2004-10-11 11:08:39
notebook Home 戻る  過去 未来