真昼の洋燈 
服部 剛

かつてランボオという名であった 
その喫茶店は、真昼も 
赤煉瓦の壁に、洋燈を吊るし 
仄かな灯を、ともしている 

在りし日の作家が 
夭折した友と懐かしい時を過ごした店の前で 
あの日 
たった一人のひとに愛を告げた僕は 

それから 
嵐を越えて、結ばれた 
感謝の思いに両手をあわせ 
真昼の路地に、立っていた 

吊り下げられた洋燈は 
そよ風に、いつまでも揺らしていた 

昔と変わらぬ面影で、硝子の内に灯る 
おぼろなひとつの魂を・・・ 








自由詩 真昼の洋燈  Copyright 服部 剛 2010-06-24 00:08:22
notebook Home 戻る  過去 未来